虫歯の治療をせずそのまま放置したり、根の治療がうまくいかないとできるのが根尖病巣です。根尖病巣は自覚症状がなく進行することも多く、急に歯茎が腫れたり、痛みが出たりする病気です。さらに歯を支えている骨が溶けてしまう状態になるとほとんどの場合は抜歯という選択をします。しかしできる事なら「歯を抜かずに治療したい」というのが患者様の思いでしょう。そこで今回は抜歯と判断された歯を抜かずに骨再生での治療を行っている木島歯科医院の木島先生にお話を伺いました。
先生は日本レーザー歯学会専門医で且つ、保存治療専門医(虫歯の治療、歯周病、歯の根の治療の専門医)であり、大学での学生教育や講演をしたり、東京医科歯科大学大学院にて、レーザーを用いて虫歯を防ぐ方法や、歯周病で動揺している歯の再生(骨の再生)の研究を続け、学会発表や各地で公演をされています。
【写真①】来院時は根の先に病巣(根尖病巣)があり本来歯を支える黒い部分は骨が吸収されているため即抜歯のケースです。しかし患者様の要望で今回は抜歯せず骨を再生する治療を選択しました。
【写真②】写真①で黒く写っている(腐った部分)にレーザーの照射と特殊な薬を入れる治療を続けた結果、患部も徐々に良よくなりました。これらの治療を丹念に繰り返すことで骨の再生も見られ、大切な歯を抜くことなく治療ができました。また動揺や出血、膿や痛みも治まった事で患者さまにも笑顔がもどりました。
骨再生は大変難しい治療法です。骨の再生には少なくとも6カ月以上かかるため患者様の諦めず治療に向き合う努力と医師の経験により生まれた結果ですが、いつもこのような事が起こるわけではありません。またレーザー治療は痛みを早く取ることができるので痛みがあれば我慢せず主治医とよく相談の上、早めに治療することをおすすめします。